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ライト・スリーパー
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『ライト・スリーパー』に投稿された感想・評価

GreenT

GreenTの感想・評価

3.0
ファンの間では『タクシー・ドライバー』『アメリカン・ジゴロ』と共に「ポール・シュレイダー・トリロジー」を構成すると言われている作品らしく、出演者も意外と豪華なのに全く知りませんでした。

ジョン・ラトゥア(ウィレム・デフォー)は、40歳目前のドラッグ・ディーラー。元締めのアン(スーザン・サランドン)がこの家業から手を引くと決めたため、自分は今後どうして行こうか、将来が不安になり不眠症気味になる。

舞台は90年代のマンハッタンで、アンとジョンはウォール・ストリートのエリート相手に商売しているのですが、ポール・シュレダー監督が「ドラッグ・ディーラーの生態を実体験するために」ウィレム・デフォーを本物のディーラーたちのところに送り込んだとのことで、ドラッグ・ディーラーの生態の描写がすごい興味深いです。

アンはずっとアパートにいて、得意客のエリートたちにしょっちゅう電話して、大きなパーティが開かれないか探ってる。そしてそういうパーティにコカインを調達することで大金を稼ぐ。ケータリングみたい!

ジョンはどちらかというと、個人のお客さんにちいさいパケットを届けるような係なんですけど、例えばバーで2人で飲んでいる、2人連れの女性客のところに「ハ〜イ!」ってすごい気さくな感じで座って、何気にコカインの小さな袋を渡し、女性も会話をしながら何気にお金を渡し、気さくに席を立って帰るという、ふーん、こうやって売るのね。

ジョンは元々ドラッグ中毒で、クリーンになって2年しか経っていないらしいのだが、自分が中毒者だったせいか、ヤクを届けに行った先の常用者たちを詳しく観察する。

その中に、若き日のデヴィッド・スペードが好演している「ハイになると必ず神についてウンチクを垂れるコカイン常用者」がいるんだけど、このキャラはポール・シュレイダー監督自身がモデルだそう(笑)

若き日のと言えば、お肌ツルツルのサム・ロックウェルがチョイ役で出ています。すっげー悪趣味で派手な革ジャンを着て、ちょっとトボけたおなじみのキャラ。

40歳目前で職を失うかもという「ミッドライフ・クライシス」を抱えたジョンは、同時にドラッグ・ディーラーとして、人々に悪運を運んで歩いているんじゃないかという罪悪感も抱えているよう。

だって、売りに行く常用者たちが、会うたびにだんだん中毒になっていって、生活を持ち崩すわ、ジョンは自分が売人なのにその人の家族に電話かけて助けようとしたり。

また、19歳と若い女の子がヤク絡みの事件で殺されたり、自分の元妻も、自分と一緒に中毒になり、それが原因で別れたり。

で、サイキックに「俺は悪いオーラ出てないか」と相談しに行ったりする。

私は往年のポール・シュレイダーは全然知らなくて、2017年のイーサン・ホーク主演『魂のゆくえ』がすごい好きなだけなんですけど、この映画でも主人公の男は人生に絶望して、お酒を飲みながら日記を書いているんですが、全く同じ映像が出てきて、ポール・シュレダー監督自身がこういう人なのかなあ〜と思いました。

また、『魂のゆくえ』は環境問題にも言及しているので、自然破壊やゴミのイメージが出てくるんですけど、こちらの映画でもニューヨークの街角にあるゴミ袋がすごい印象に残りました。ジョンがニューヨークの街を歩いているショットでは必ず、道の端っこに黒いビニールのゴミ袋が山積みにされていたり、ズラーっと並んでいたりするんですけど、物語が進んでいくに連れ、ゴミの数が増えていくような感じがする。

これは、ニューヨークで実際に、ゴミ収集の労働者たちがストを起こした時があって、それを背景にしているのでゴミ袋をたくさん置いたそうなんだけど、映画撮影時は通常通りゴミ収集が行われていたので、セットとして置いてあるゴミを収集車に持っていかれて困ったそうです(笑)。

こういったポール・シュレイダー作品の共通点としてもう一つ、宗教的なイメージをたくさん入れるところがあるんですけど、この作品でも、背景に映っている絵画や、セックスのシーンにまで宗教的な神々しい感じを演出していました。

私の目には、ジョンはドラッグ・ディーラーの職を失ったら何をしよう、自分に何ができるのか?音楽業界に入りたいと思っているんだけど、上手くいくかなあと悩んでいて、なんか普通のサラリーマンがリストラされたのとあまり変わらない悩みだなあと思う反面、今までクスリを売ることによって、人が死んだりしてきたわけじゃないですか?そういう悪いことをしてきた自分にはバッドラックが付いているんじゃないか、だから今回の転機で罰を受けるのでは、みたいなクリスチャン的な心配をしているように見えました。

アンも、ドラッグ売買から足を洗うと言ったのはこれが初めてじゃないらしく、彼女もこういう闇の職業じゃなくて、お天道様の下を大手を振って歩けるような人間になりたい、とずーっと思っていたみたい。

と、なかなか興味深く見たんですけど、なんだかやたらとメロメロにドラマチックな、だっさーい感じのバラードとか、音楽が「?」な感じで、『タクシー・ドライバー』のような緊張感とか、『魂のゆくえ』みたいなどん底に暗ーいとかと違って、映画のトーンが変な感じでした。

ラストはネタバレになるのでコメント欄で。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.0
【不健康そうウィレム・デフォー】
昔の恋人を殺された男の復讐譚。ポール・シュレイダーはこの映画でも『田舎司祭の日記』演出に挑戦したりしている。不健康なウィレム・デフォーが拝める。この雰囲気はアベル・フェラーラ映画へと引き継がれる。
「タクシー・ドライバー」(1976)「アメリカン・ジゴロ」(1980)と共に、ポール・シュレーダー・トリロジー(三部作)と呼ばれた名作。

ニューヨーク。不眠症に悩む孤独な男ルトゥア(ウィレム・デフォー)は、女社長アン(スーザン・サランドン)のもとバイヤー稼業を続けていた。まともな生活への一歩が踏み出せない中、かつて自分の薬物乱用が原因で別れた妻マリアンヌと再会するが。。。

90年代初頭の時代の変わり目を迎えようとしているNYの雰囲気と、人生の変わり目で足踏みする主人公の姿。プロットはポール・シュレーダーの脚本で繰り返されているものだが、本作はキャストも街の風景も絶妙にマッチしていて、都会の片隅への眼差しがストレート伝わってきた。ジャジーな劇伴も良かった。

意外に知られていないシュレイダー監督らしさの詰まった佳作。

※監督の最新作「カード・カウンター」(2023) の主人公の背中に彫られたタトゥー“I trust my life to providence -I trust my soul to grace(人生を天意に 魂を恩寵に委ねる)”は、本作のオープニング曲「World on Fire/マイケル・ビーン」の歌詞の一節。

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