TOMJFK

キングコングのTOMJFKのレビュー・感想・評価

キングコング(1976年製作の映画)
4.0
なかなかの秀作です

約35年前、映画好きな中学生の自分が正月映画として観ました。
強烈に面白かった印象はありませんが、いろいろと気に入った面があり、 このたびDVDを購入してしまいました。
まず監督! 「タワーリングインフェルノ」や「ナイル殺人事件」のジョンギラーミン監督!
堂々たるアクション映画、安心して観ていられるカメラショット。
やはり私はこの監督好きですね。
次にジョンバリーの美しい音楽!
変な話し、35年経った今でも、このオリジナルサウンドトラック盤を聴いています。 (これ、ジョンバリーが聴いたら喜ぶんじゃないかな)
主演のジェシカラングですが、前半、「なにをはしゃいでいるのか?」 という感じがしましたが、ラストはそれが生きてきます。
つまり、 ちやほやされるスターを夢見る彼女がラストに直面することは・・・ 世界貿易センター屋上で、アメリカ軍のヘリのバルカン砲でメッタ撃ちにされ、残酷に目の前で殺害されるコング。
それを目の当たりにし、悲しむ彼女。
そして彼女は生物学者の彼(人間)のことを実は純粋に好きだったと気付き、強く抱きしめてもらいたいと願い、 彼のほうへ歩み寄ろうとする。
しかし群集と彼女を取り囲むマスコミで、彼のほうへ近づけない。
彼のほうは、彼女がずっと求めていた「マスコミの注目」を今まさに得られていて、 自分は身を引く。
身を引く彼を見て、彼女はさらに悲しくなる・・・ 現代人間社会に抹殺されるコングの悲劇と同時に、 ジェシカラングの恋愛の悲劇も描き、 そうしてカメラが遠のき、「ジ・エンド」

これが、前半はしゃいでいる彼女が後半生きてくる理由です。
また、当時の稚拙な特撮も駆使してて「よく頑張ったなあ」って感じです。
やはりなかなかの秀作でした。
2011/7/8
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