アーモンドフィッシュ

恐怖城/ホワイト・ゾンビ/ベラ・ルゴシのホワイト・ゾンビのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

4.0
船旅映画三本目。前の2本は、行きの舞鶴→小樽行のフェリーの中で、3本目は帰りのフェリーの中で観ました。フェリーの中は日中、携帯が圏外でして、ネットには一切つながらない状態です。だからレビューを書こうにも参考にできませんから、本当に思い立ったままを書こうと思います(とは言え、これを投稿するときはネットにつながってはいるんですけどね😂)

さて、今作「恐怖城ホワイトゾンビ」を選んだ理由ですが、特に深い意味はなく、アマプラで適当にiPadにダウンロードした一本だったからです(笑)

ストーリーを語ると、たまたま知り合った富豪のボウマン氏の招待でハイチに結婚式を挙げるために訪れたニールとマデリーン夫婦ですが、ボウマンはマデリーンに思いを寄せていました。なんとか彼女を手に入れようとハイチのブードゥー教の魔術師ルジャンドルに依頼する。ルジャンドルは死者(ゾンビ)を蘇らせる秘術を使うことができ、それを叶えようとするのだが…と言った内容。ルジャンドルはドラキュラ役で一世を風靡したベラ・ルゴシが演じています。

今作は世界で最初のゾンビ映画と言われており、記念すべき作品となっていますが、世間が一般的にイメージするゾンビとはかけ離れています。私たちがイメージするゾンビは鈍く、知能がなく、人を襲い人肉を食べるというものだけど、これはジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リンビングデッド」からで、今作ゾンビは、あくまで人間の奴隷、知能はあるものの自分の意思はなく、魂の抜け殻となっていて、ピアノを弾いたり車を運転することができるのです。もちろん人を襲って食べたりしません。ロメロはゾンビ自体を恐怖の対象で描きましたが、今作は魔術師によりゾンビにされる恐怖を描いています。

トーキー映画の黎明期の作品ですが、今見ても十分楽しめます。やはり数年前までサイレント映画が中心だったためか、説明過多な部分も結構あり、今の感覚で観るとちょっとおかしな部分もあります。ヘイズコードが厳しかった時代ですから、血が出たりもなく、キスシーンすらないので、それらを楽しみにしてる人はがっかりするかもしれません。

とは言え、今作は大ヒットし、世界で最初のゾンビ映画であることは間違いなく、この作品以降同じようなゾンビ映画が出ましたが、ヒットせずゾンビ映画はしばらく廃れてしまいました。数十年後にロメロが再び同ジャンルを復活させるまで待たなければなりません。これはサメ映画にも言え、例えば「ジョーズ」の後に一時的に人気が落ちたが、「ディープブルー」の登場で再び復活した、といった具合です。話は少しそれますが、悪魔祓い映画もエクソシスト以降ヒットが少なく、ゾンビ映画やサメ映画のような華やかさはなく、下火ですが、今年「ヴァチカンのエクソシスト」や「エクソシスト信じる者」が公開されます。これにより悪魔祓い映画が一大ジャンルになることを切に願います。

マデリーン役の女優さん、マッジ・ベラミーは初めて知りましたが、すごくきれいな方です。現在でも通用するのじゃないかな。

そして私の船旅はまだまだ続きます