ペドロ・アルモドバルの初期の作品はエロだとか変態をウリにした作品が多い。
もちろんこれは語るべき作品が、そういうフェチのような対象を見せているからなのだが。
部屋の中に閉じ込めて決して他者の人間と出会わせないようにする男。
そんな男に逆らいながらも、次第にそれが愛情に変わっていく女。
こんなわけないと撥ね退けるのは簡単だが、男女の愛というのは分からないもの。
決して男が上位の関係でないというのもポイントで、拘束しているのに男は女性の着替えを見ようとしない。
いくらでもサスペンスは生めるはずだが、そういう方向にはいかない。
ラストはそうなるかという愛の形。
初期のアルモドバル作品には常連のアントニオ・バンデラスも出ており、世界観にしっかり溶け込んでいたのが印象的。