ひげしゃちょー

新・仁義の墓場のひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

新・仁義の墓場(2002年製作の映画)
4.7
実在のアウトロー石川力夫の半生を描いた『仁義の墓場』を現代に置き換えて新解釈を足したリメイク作。 オリジナルは未見だけど、オリジナルを超えたのではないだろうかというほどの傑作。 間違いなく2000年代以降の実録路線ヤクザ映画の最高傑作。 石松陸夫の行動には全く共感はできないものの堕落していく様子や智恵子との愛を通じて儚さや哀愁を非常に感じる。 どうしようもない男だからこそリアルに感じる。 腐った牛乳、ゲロ、下痢の作りも全てリアルに思えた。 リアルだからこそ面白い。 それもこれも石松陸夫の狂気とその裏に潜んだ哀しみを表現してくれた岸谷五郎のおかげ。 本物のヘロイン中毒にしか見えなかった。見てるこっちが殺されると思う程の迫力。 欲を言えば有森也実がもう少し体を張ってたらさらによくなったと思う。 手持ちカメラによる臨場感溢れる撮影もこの作品にとてもよく合っている。 三池崇史が変化球なしでも傑作を作れるということを証明した作品。