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ビューティフル・マインドのKBのネタバレレビュー・内容・結末

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

心揺さぶられるヒューマンドラマ。個人的に洋画ドラマの中でも特に好きな作品。

自分自身も精神的不調に悩んだ時期があったので、主人公の生き様に勇気をもらった。精神疾患等に悩んでいたり、治療を続けていたりする方、映画を観る体力があれば、これをぜひおすすめしたい。少し長めで辛いシーンもあるが、小さな希望を灯してくれる映画だと思います。

主人公のジョン・ナッシュは、経営学、特に意思決定科学の分野においては世界的に大変有名な方。彼は「ナッシュ均衡」という画期的な論理を生み出し、ノーベル賞も受賞している。
その人生が、統合失調症と向き合い続けるものだったというのは知らなかった。

精神疾患の症状はさまざまあるが、ナッシュの場合は、幻覚や幻聴が常にあらわれる。
映画の中では、その描写のため色々な登場人物が出てくるが、「あれ?これって現実?幻覚?」みたいな感じで、見ていても区別がつかなくなるほどだった。それが統合失調症によるものだと知るまでは。

ただ実際本人に見えていた世界というのはそういうものだし、周囲からは冷ややかな目線も向けられていたのだろう。

そもそもメンタルヘルスや精神障害については、ナッシュが生きていた当時は、欧米だとしても今ほど明確な診断とか治療法もあまり確立していなかったと思うし、社会的にも認知されていなかったと思う。自宅療養と隔離で、社会との関わりを持てずにいた人もいるんじゃないか。

それでも結果的に、ナッシュは自分の病気を自覚し、共生するという道を選ぶ。
それを支えたのは、彼を献身的に支えて理解しようとした妻、夢中になれる数学、大学の学生たちなんじゃないかと思う。

障害を独りで抱えることは本当に辛く、苦しいものだからこそ、無条件に自分を認め、愛してくれる存在がどれだけ大切かが分かる。終盤のノーベル賞授賞式でのスピーチはそれを最もよく表してるような気がしていて、感動します。
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