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ビューティフル・マインドのmisakiのネタバレレビュー・内容・結末

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


劇中、こんなにも自然に涙が溢れる映画は久しぶりだ…。ラッセルクロウとジェニファーコネリーの演技が、繊細でひたすら健気で…。自分がもしこの立場だったら…と思うと物凄くつらい。

夢と現実の区別がつかなくなってしまったジョンナッシュのセリフの一つに、
"人間は皆過去に取り憑かれている"
というセリフがある。このセリフは、今までずっと信じ、信頼した親友が存在しない事、諜報の仕事など受けていない事を受け入れた後、彼が言うセリフだ。このセリフ、ものすごく重みのある言葉だと思った。統合失調症により幻覚
である事を受け入れる事に苦しんだ彼だが、それは彼に限った事でなく、誰しもが何らかの過去の記憶に束縛されているのだということを示唆させる。。


私がこの映画で何より尊敬の念を感じたのは、妻アリソンに対して。それはただ彼女が同じ女性である事だけではない気がする。むしろ彼女の、絶対に私が夫を支え続けるのだという意志や彼の為に残業も厭わず働き、息子を育て、家事をする姿は男女の枠を越えて、人間的に素晴らしい人だと思った。真似したくても真似できるような事じゃない。こんな事何十年も続けたらこっちも気が狂ってしまうんじゃないだろうか。。
とんでもない芯の強さを持つ彼女が、彼の中の本当の"リアル"の世界で生きるたった一人の人間であり、ひたむきに彼を愛し続けたからこそ、彼は、彼女のためにも前向きに生きなければならないと必死に努力したのだろうと思う。だからこそ彼だけでなく、彼女にも何らかの賞を与えてあげて欲しかった。心から。
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