JUNPEI

鬼龍院花子の生涯のJUNPEIのレビュー・感想・評価

鬼龍院花子の生涯(1982年製作の映画)
3.8
この感じ。凄まじいよね!
もはや現代、この感じを出せる監督は
いないのではないか。
ましてや、性差別がうんたら〜で
こんなけ世間が騒ぐ世の中で、
昔日本はこんな感じで、、みたいな
映画はもう撮れないのだろう、きっと。
そう思うと、もはや絶滅するかも
しれないテーマになりつつあるもの、
これは今後貴重となるだろう。
考え方も含め。

素晴らしいキャストなんです。
仲代達也が愛くるしい目と凄む目を
使い分けて凄い。チワワから土佐犬まで
演じ分けるかのような。
岩下志麻は完全にタイムスリップして
入り込んでいるから凄い!
仙道敦子がこの頃から完成されている。
総じて、夏目雅子の演技が凄い!!
スケバン刑事・南野陽子の「なめたら
いかんぜよ」がいかに軽いかが身に染みる。
夏目雅子が鬼龍院花子じゃないのが
良い。
そして、花子の醜女具合がちょうどいい。

情念の形が時代とともに変わっても、
この時代の情念は美しくて熱いと思う。


余談:
一通り見終わった後、オープニングを
見返すことになるだろう。
花子の生涯も切ない。
JUNPEI

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