芹沢由紀子

鬼龍院花子の生涯の芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

鬼龍院花子の生涯(1982年製作の映画)
4.2
私、五社英雄って、遊郭モノをみて「女性がひどい目に遭う話ばかり撮るひと」って印象で、恐ろしくて見られなかったんだけど、こんど「女鬼龍院」って曲を踊ることになって、参考に観てみた。

ハマった。

東映は当時、エロす!エロいっすよ!と、官能映画みたいに宣伝して推してたんだけど、これはちゃんと五社さんが大衆チャンバラを超えた文学作品に仕上げたんだよね。原作が宮尾登美子さんだから、気品があるのかな。

そして、鬼政親分を演じる仲代達也、すごか~!
「幕末のころの志士を輩出したが、その後の高知は男家業の侠客は育たぬ」って言われてたらしいんだけど、物語の中でも、ただのキ●ガイやくざなのか、それともほんものの男なのかみたいなアイデンティティーをずっと行ったり来たりする役で、興味深い。
1人で7人くらいのキャラクターを演じてるように見える。まさにカメレオン俳優である!

この映画、私も勘違いしてみていたが、主演の夏目雅子は「花子」役ではなくて養女である姉の松恵役なんだよね。そんで、本当の「鬼龍院花子」役の女優さんは、無名でこの映画くらいしか出てこないんだが、ものすごい演技をする。
生々しいし、印象深い。夏目雅子に負けていない存在感を放っていた。
ほかにもいろいろ豪華キャストで若き頃の夏木マリも本当にハマり役。

20代のころ高知に行った際、よさこい祭り、桂浜とか闘犬、観に行ったけど、今は闘犬とオナガドリ、残酷で見るに堪えないな。でも高知のスケールの大きさ、行ってみないとわからないと思うが、まじでこんな人ら、いそうな空気感ではある。
芹沢由紀子

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