こーた

怒りの葡萄のこーたのレビュー・感想・評価

怒りの葡萄(1940年製作の映画)
4.0
世界大恐慌を背景に力強く1930年代を生き抜いた、他でもない一般市民を描いた作品。
当時であればオクラホマからカルフォルニアまでの道のりも命懸け。先祖代々の土地を捨て、家族で大移動も老人たちから死んでゆく。バラバラになりつつある家族を縁の下の力で支える母親の存在が大きい。特にラストで、あ、これは女性の力強さを描いた作品でもあるんだと腹落ちする。
仮出所したトムも最終的には追われる身になり、罪を犯したものはそんな簡単に家族と幸せになれないという必然性も感じた。
ボロ車を乗り回すロードムービーでもあり、当時のひもじい状況を等身大で描いたキャンプシーンは胸が痛む。
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