茜

死霊の棲む館の茜のレビュー・感想・評価

死霊の棲む館(1986年製作の映画)
3.7
ラスト30分のカオス展開がハチャメチャで面白過ぎる。
ぐちょぐちょグロゴアも良く出来てるし、結局何だったの…っていう余韻も含めて意外と楽しめた。

精神科医の男と元患者の女は恋人同士、女には連れ子の息子がいる。
彼等は古い屋敷を購入して同居する事になるが、その屋敷は130年前に残酷な奴隷商人が暮らしていた呪いの家だったっていうオカルトホラー。

屋敷の中に気味の悪い隠し部屋を発見したり、不可解な現象や悪夢に悩まされたりして、次第に不安定になっていく彼女。
優しかった彼氏も徐々に人格が荒々しく変貌していくし、刑事に相談しても話を信じてもらえないし、どんどん追い詰められ一人で必死に息子を守る彼女が可哀相になる。
でも彼女が元精神病という設定もあり、もしや全部妄想なのではという可能性も否定出来なかったりして、そういう意味でも話を追いかけるのが楽しかった。

先にも書いたように、ラスト30分辺りで彼女が怒涛の幻覚世界に放り込まれるんですけど、ここで出て来るグチャドロが素晴らしい。
頭にファスナーの付いた男が脳味噌をパカッと見せてきたり、ピアノが迫ってきたり、顔が腫瘍だらけの黒人男や首吊りモンスターが出て来たり…もうとにかくカオス!
アフリカ原住民みたいな奴らが悪魔に向かって槍投げるシーンなんか訳分からん過ぎて爆笑。
この30分に美味しいとこ全部詰まってるって言っても過言じゃない。

脚本の評価は余り良くないみたいですけど、個人的には出来の良いSFXだけでも充分見る価値あると思う。
茜