Canape

檸檬のころのCanapeのレビュー・感想・評価

檸檬のころ(2007年製作の映画)
3.9
恋だけじゃない卒業までの日々。優越感を感じたくて、特別になりたくて、何かを見つけたくて、夢を見たくて、敗北感を握り締めて、伝わらない気持ちを胸に抱えて。甘いだけじゃない、苦さと目の覚めるような酸っぱさ。間接的に感じたあの子の唇、風を切って歌ったあの歌、寝転んで見上げた空、初めて認められた気持ち、はにかんだ笑顔、他愛もない何でもない時間や、見落としてしまいそうな一瞬の気持ちの変化や感情の渦を全部詰め込んだらバラバラになってしまいそうなのに追体験しているようだった。振り返れば何でもないことばかりが思い出される、それが青春。谷村美月も良かったが、榮倉奈々が抜群に良かった。派手じゃないのにとても可愛らしくて、素朴な高校生をやらせたら天下一だと思う。二人が小突き合って校歌の話をしているところが、こういう時間あったなーって妙に心に残った。タイトルにぴったりの檸檬のような作品でした。
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