湯っ子

トト・ザ・ヒーローの湯っ子のレビュー・感想・評価

トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)
3.8
当時、シャンテに観に行き、レンタルビデオでおかわりするくらい好きだった映画。
30年ぶりの鑑賞。

断片的な記憶だけで、すっかり忘れていたのだけど、こんな話だったっけ?
おとぎ話みたいで好きだった記憶があり、もっとハッピーな余韻があったのに、思ったより重い話だった。

トマの生涯をテンポ良く描いていて、トマの家族が愛情に溢れていたことも伝わってくる。
映画の中で印象的に使われている「ブン!」という曲を家族で楽しむシーンがとても素敵。

なんとも運命的で悲劇的な巡り合わせと、出生時にまつわる思い込みか?真実なのか?もあり、
トマは向かいに住むアルフレッドに恨みを募らせるのだけど、恨みを晴らすことを生きがいにしているトマ爺さんが哀れだった。

そして、いざ復讐の時と思えば、アルフレッドはトマが羨ましかったと。
それを聞いて、あっさり復讐する気をなくすトマ。へっ、そんなもんですか?
あげく、アルフレッドの身代わりになると…
この辺、オープニングの伏線が回収されるのは、おお〜!となるけど。

で、流れる「ブン!」と、パパとアリスの幻。
これでなんだかおとぎ話みたいな、良い話だったみたいに丸め込まれちゃう感じがしてしまった。

散骨の時、あんなに笑ってるってことは、トマは自分の人生を肯定できて終われたよ、めでたしめでたし。ってことなんだろうけど。

面白かったし、よくできている作品だと思う。
ただ、自分の中のイメージと違ってしまったので、何故か少し残念な気持ちになってしまった。
昔観た映画を再見すると、こういうこともあるんですね。
湯っ子

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