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トト・ザ・ヒーローのkirika75のレビュー・感想・評価

トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)
3.5
この作品がカンヌで新人監督賞を取ったとき、その世評の高さに観たいと思いつつ見逃してしまい、最近ふと思い出して初めて鑑賞。あれから30年以上経ってるなんて!

ベルギーの小さな街で、朗らかな両親と、愛らしくて仲良しの姉アリスと、知的障害のある弟セレスティンと幸せに暮らしていた少年トマ。飛行士である父が、向かいに住む同級生アルフレッドの裕福な父に無理な仕事を頼まれたことがきっかけで、一家の運命は暗転してしまう。

全編、ファンタジックでどこかコミカルな雰囲気が貫かれているのに、描かれる人生は過酷。過酷なのにファンタジックに描かれているというべきか。
当時13歳のサンドリーヌ・ブランク演じる最愛のアリスの力強くて儚い、危うげな美しさと相俟って、不思議な映画だった。
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