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ハリーの災難のジャンのレビュー・感想・評価

ハリーの災難(1955年製作の映画)
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ヒッチコック的サスペンスを自ら距離化・パロディ化している。男女の抱擁は、いつもの緊張感とエロティシズムに満ちたものにはなり得ず、極限まで表層的な振る舞いに見える。死体は登場人物同士をくっつける手段にしかならず、靴や絵画といった道具立ても物語上の有機的な機能を失い、観客にとってはマクガフィンとして機能したはずの主人公の隠された言葉も、「ダブルベッド」としてその緊張感を呆気なくすかされる(もともと緊張感として殆ど機能してなかったわけだが)。
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