masahitotenma

ハリーの災難のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ハリーの災難(1955年製作の映画)
4.0
ジャック・トレヴァー・ストーリーの原作をもとに、アルフレッド・ヒッチコックが製作・監督した死体をめぐるコメディ。
原題:The Trouble with Harry (1955)

紅葉の美しいヴァーモント州の森の中にハリーの死体が転がっている。
第一発見者は、おもちゃの銃で遊んでいた4才の少年(ジェリー・マシューズ)だが、その後、ハリーの死に心当たりのある人たちが次々とやってくる。
・ウサギと間違って射った元船長の中年男(エドモンド・グエン)、
・奥さんと間違われて襲われハイヒールのかかとで頭をなぐった中年女(ミルドレッド・ナットウィック)、
・身を隠していたのに、突然訪れてきて家に入り込もうとしたので、牛乳ビンでなぐりつけた奥さん(シャーリー・マクレーン)、子どもの母親でもある。
・奥さんに想いを寄せる貧乏画家(ジョン・フォーサイス)も現れ、
犯行を隠すため、ハリーの死体を埋めたり、掘り返したり…。
やがて、死体から靴を盗んだ浮浪者がつかまって、シェリフ(ロイヤル・ダノ)が調査を開始 する…。

さて、最後はどう収める?

ロバート・バークス撮影によるバーモントの紅葉が本当に美しい。
ソール・スタインバーグの絵が全体のトーンを示唆し、たっぷりと見せる美しい風景の中での死体をめぐる"のんびり"した会話がオシャレで、ユーモアたっぷり。
死体があるのに、何もなかったようにスタートする。その典型が、"命を助ける"医者(ドワイト・マーフィールド)で、最後にその役割がわかる。
ブロードウェイでダンサーとして活躍していたシャーリー・マクレーンのデビュー作で、可憐な魅力を振りまいて、彼女の個性はその後起用される作品にも活かされていく。
masahitotenma

masahitotenma