ShinMakita

ドミノ・ターゲットのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ドミノ・ターゲット(1976年製作の映画)
1.9
☆mixi過去レビュー転載計画(ノンジャンル編)
…ここ10年で購入したDVD.Blu-rayのレビューです。

…ザ・バットマンを観られない鬱憤を過去レビュー投下で晴らしています。すんません(泣)



〈story〉
主人公ロイ・タッカーは、15年の刑を喰らい服役中。妻エレノアの前夫リギンズを殺害した罪だ。若い頃からワルだった彼は、ムショか入隊かの二択を迫られベトナムに従軍。そこで狙撃手として武勲をあげ、ハワイの基地で優しい牧師と出会い真っ当な道を歩む決意をする。だが、結局はこのザマだ。同房のジジイ、スピベンターは、ことある毎にヨメの話をするもんだからエレノアが恋しくて仕方が無い。

そんなある日、ロイに面会人が現れる。面会人はマービン・タッグと名乗り、「私は有力者だ。君を出所させて、妻とも会わせてやる」と言ってきた。その見返りは、<ある仕事>を引き受けること。キナ臭いと感じながらも、タッグやその助手のパインと数回面談し、<仕事>を引き受ける気になるロイ。シャバに出れば、エレノアとも会えるのだ。

しばらくして、タッグの力で刑務所所長公認の中、ロイは脱獄を敢行する。だが、一緒についてきたスピベンターは、迎えに来たタッグの部下に射殺されてしまった。ロイは彼に薬を盛られ、気がつけばサンフランシスコのホテルにいた。<仕事>の準備が整うまで、サンフランシスコで待機だと言われるロイ。何とかタッグの正体や<仕事>の内容について探りを入れようと考えるが、何も判らない。やがて彼は、コスタリカ・プンタレナスに運ばれ、そこで豪奢なビーチ沿いの一軒家をあてがわれた。そこには、夢にまで見た妻エレノアが待っていた。久々の再会を果たし、ハネムーンのような甘い時間を過ごす二人。だが、<仕事>のゴーサインがついに下される時が来た。二人はカリフォルニアまで移送されることになる。<仕事>・・・それは、LA郊外の屋敷までヘリで接近し、遠距離で屋敷から出てきた要人を狙撃することだった。標的はかなりの大物。仕留めたら、ロイは国際的な犯罪者となってしまう。何とか狙撃をしないで済む方法はないか?警察に駆け込んでしまおうか?考えるロイだったが、エレノアの身柄をパインたちに押さえられては、命令に従うしか道はない。ロイはM16を手にヘリに乗り込み、ターゲットの上空で旋回しながら引金を絞るのだが・・・


➖➖➖

社会派クレイマー監督の異色作ですが、主演ジーン・ハックマンはなかなかのはまり役。ロイ役を哀愁たっぷりに演じています。エレノア役は、この時期ハックマンと共演が多かったキャンディス・バーゲン。タッグ役はクセのあるリチャード・ウィドマークでした。結局<個>は<組織>に勝てず、チームのボス的存在であるタッグもまた捨て駒に過ぎないという<組織>論理の非情さを浮き彫りにする、ル・カレ的というかニューシネマ的というか・・・
大作至上主義になりつつある時代(1977年)には地味過ぎたかも知れませんが、ウイスキー片手に観るにはちょうどいい一本。人間って、思ってもいないくらい前から、見えないチカラに支配されているんですよね。その怖さを堪能できました。
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