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金星ロケット発進すのyayuyoのレビュー・感想・評価

金星ロケット発進す(1959年製作の映画)
3.0
DEFA70周年 知られざる東ドイツ映画 特集にて。

原作は『惑星ソラリス』で有名なスタニスワフ・レムの最初のSF小説。
金星から飛来した磁気録音コイルの謎を解明すべく、金星へと飛び立つ乗組員達のドラマ。


宇宙センターで働く研究員やロケットの乗組員が様々な国・人種の人々で構成されていて目をひく。
世界各国からなる乗組員が一致団結する様は、どうやら共産主義の理想を映画の中に落とし込んだ結果らしい。
因みに日本人の谷洋子さんという方も科学者のスミコ役で出演。
ロケットの乗組員で、過去にヒロシマで被爆し、原爆の後遺症に苦しんでいる役どころ。
主役級のキーパーソンの1人として熱演されています。


巨大なコンピューターや船内、金星の情景は、今見るとキッチュに見えるのは仕方ないけど、
レトロフューチャーっていうのかな、なかなかセンスあり。


一見娯楽SF映画の様でありながら核の脅威や世界平和について言及しているのも興味深い。
もう少し個々の背景の掘り下げがあれば、もっとドラマチックになるだろうし、中弛みも無く眠くならない気がする。
でも、それだとハリウッド映画になっちゃうか。
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