Jimmy

男はつらいよ 望郷篇のJimmyのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 望郷篇(1970年製作の映画)
4.5
第5作、マドンナ:長山藍子
初見は1980年3月26日、池袋・文芸地下での鑑賞。
その後何回も観ている作品。
このタイトルを見ただけで「油まみれになって額に汗して働くんだ」という寅さんのセリフが聞こえて来る気がする(笑)

寅さんシリーズ初期の作品なので、おいちゃんは森川信。「バカだねぇ~」が楽しい。

さて、夢のシーンは「おいちゃんが死にそうになる夢」から始まる。
雨なので昼寝をしていた。ここで有名なセリフ「テキヤ殺すにゃ刃物が要らぬ、雨の3日も降りゃあイイ…ってか…」が出る。

柴又のとらやでは、夏の暑さでおいちゃんが「死にそうだよ~」、「おいマクラ、サクラ取ってくれ」(笑)

寅さんがとらやに電話するとおばちゃんが「おいちゃんが死にそうなんだよ~」という冗談を言う。絶妙なタイミング(笑)
早速、御前様や葬儀屋の手配をしてしまう寅さん。

寅さんはタコ社長の工員たちに向かって「いよ~、労働者諸君!結構結構、けっこう毛だらけお前のお尻は○○だらけ」と叫んだりしているが、さくらに「油まみれになって額に汗して働くものよ」と叱られる。
そんな折、札幌で昔世話になった親分が死にそうになり、ノボルと一緒に札幌に行く。
親分とは会えたのだが、息子に会いたがっている親分のために息子を探すが、機関士となっている息子は父親に会いたがらない。

柴又に戻った寅さんは「額に汗して働きたい」のだが、寿司屋は「粋」だからダメ、団子屋は油まみれにならないからダメ、天ぷら屋は天ぷら嫌いだからダメ、風呂屋の釜炊きは三助の真似もしなきゃいけないだろうからダメ……(笑)
そして勝手に、タコ社長の工場に決めてしまって、翌朝、寅さんは「おはよう、労働者諸君!今日から僕も君たちの仲間だぞ!ともに働き、ともに語ろう」とタコ社長の工場の労働者たちに話しかける(笑)
結局、これも続かず、渡し舟で流された浦安の豆腐屋で働いていた。
もちろん、マドンナ(長山藍子)が居たから。
そして、マドンナには恋人(井川比佐志)がいて……といった流れで、初期の作品らしさが出ていて、寅さんの口上が見事であり、観ていて楽しい。

しかし、時代背景を感じるのは、さくら(倍賞千恵子)やマドンナ(長山藍子)が極端なミニスカートをはいていること…。
Jimmy

Jimmy