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男はつらいよ 望郷篇のBaadのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 望郷篇(1970年製作の映画)
4.4
言いたいことを言いながらも何かと寅には親切だったり頼りにしている柴又の人々。でもいざ仕事を探すとなると結構シビア。子供の頃から見ている人の評価って結構厳しいのだなあ、としみじみと思ったりもする・・・

5本目のこの作品は群を抜いて傑作です。

寅さんが旅をしている期間はこの映画では長くはなく物語の多くの部分は故郷の柴又とその近くの浦安で語られ、妹のさくらとのやり取りがメインだったりするのですが、そのサブタイトルが「望郷」。噛みしめてみるとこのお話は切ない。

故郷に居場所がないと思った人間は寅次郎のようにしょっちゅう実家に居候したりはしないのが普通なのだろうが、フーテンにならなくても故郷を出た人間には響く話でした。

つなぎ姿で張り切って仕事に出る寅さんとその後の寝落ちした寅さんが可愛い。

時代の流行なので登場人物はミニスカートのワンピースを着ていますが、フィットエンドフレアーがこの年の流行りだったのでしょうか、体にそう綺麗なシルエットで、さすが松竹、流行の取り入れ方が上品です。

(イミ深な「望郷」篇 2021/11/23記)
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