何だろう、この丁度良さ感。
料理にたとえると、安定の茶漬けかな。
何もかも、丁度良く、心地よい。刺激や問題定期や大げさな感動はないけれど、
熱いお湯に適度の具、そして、いつも温ったご飯が喉からゆっくりと体内に伝わっていく心地良さ。
イタリアンとか中華とかお寿司じゃない、
ご馳走じゃないけど、いつも美味い。
シリーズ5作目、山田洋次監督復活編。
全シリーズを見た訳ではないけど、後のギネス級の長寿シリーズの形を固めた一作なのかな。
おじちゃんが亡くなる夢から、実際に亡くなったと勘違いした寅とそのドタバタ
(おいちゃんは、僕が1番好きな森川信さん!)
寅が世話になった親分の孤独死とその息子との確執
親分の寂しい死から地道に仕事をすることを決意する寅
浦安の豆腐屋で真面目に働く寅、それを心配して訪ねる寅
豆腐屋の娘さん登場(残り20分で登場のマドンナ 今回は長山藍子)
結末はいつもの、振られて、旅立つ寅
物語が見事にパーツごとにきちんとハマり、無駄がない。
思うに、お話の大部分は寅次郎の独り相撲
そんなおかしな実際にはリアリティがなさそうな人物に、魂をもたらした山田洋次監督。
山田洋次監督、90歳を過ぎてもまだ現役で撮っている。父と同じ歳。いつまでも、撮り続けてください!
そして、何と言っても、唯一無二の渥美清さん!今更ながら、凄い!
思うに、88分でマドンナが出てきたのが60分過ぎ。
つまり、この映画ではマドンナはあくまでマドンナ。
まだ初期作だけに、寅さんにぐーと迫っていた、「ザ・寅さん映画」と言えるでしょう。