ルネ

男はつらいよ 望郷篇のルネのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 望郷篇(1970年製作の映画)
5.0
1970年公開。監督・脚本は山田洋次(1931年生)。 シリーズ第5作。

第3作と第4作が別の監督で、正直微妙だったのだが、この作品から山田洋次監督が復帰してメガホンを取った。

当初は本作でシリーズを完結させる予定で、テレビドラマでさくら役を演じた長山藍子がマドンナとして、団子屋のおばちゃん役を演じた杉山とく子がマドンナの母役、博役を演じた井川比佐志が恋敵を演じるなど、作品を締めくくるため以前のキャストを総動員させたが、本作があまりの人気にシリーズは延長されることになった

旅先でおいちゃんが死んだ夢を見た寅さんは、心配になって柴又に戻るがまた揉める。そして以前お世話になった北海道の親分が危篤と聞いて見舞いに駆けつけるが・・・というお話。

やっぱり山田洋次監督だと全然違う。テンポもいいし行動やセリフが自然で、 笑いのツボもいい。そして泣ける。改めて監督の実力を実感した。北海道での重めのエピソードも、かなり胸に染みた。

マドンナ役があんまり綺麗じゃないなくて、そこがまたリアル。「なんで寅さんは結婚しなかったの?」という質問が、独身のいい歳した男としては結構辛いものがあった(笑)倍賞千恵子の可愛らしさは相変わらずで、演技も素晴らしかった。

泣きと笑い、そして寅さんの哀愁とさくらの優しさのバランスが絶妙です。

今までみた5作の中では、1作目と並ぶ名作だと思います。
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