もりかわ

男たちの挽歌のもりかわのレビュー・感想・評価

男たちの挽歌(1986年製作の映画)
3.5
色んな熱い要素の原液があるなと思った。

取引相手の裏切りによって逮捕されたヤクザの兄が、警察になった弟と仲直りしようとする話。

熱い要素としては、
・長いコートにサングラス、口にマッチを加えてタバコをふかす風貌
・ホーとマークの固い絆で結ばれた関係性
・ホーとキットの特別な絆で結ばれた兄弟愛
・自分の信念を貫こうとするホーの生き様
・ヤクザが罪を償おうとするも、元の道に引き摺り込まれてしまうもどかしさ
・仲の良かった兄弟が、立場の違いによって仲違いしてしまうもどかしさ

アクションシーンは確かにカッコいいけど、弟が兄の話を一切聞かずに怒り続ける行動が記号的に映ってしまい、弟が絡むと面白さ半減してしまいました。
兄は弟のために真人間になろうとするけど、弟は兄のことを一向に許さないし変化しないので、脚本の都合を感じてしまう。
兄弟愛をもっとしっかり見せ、弟がかつて尊敬していた兄と、ヤクザであることを隠して家族を巻き込んだ兄の二面性に葛藤する姿をもっと見せてくれたら、兄弟のドラマにもっとのめり込めた。

当時の王道とは異なる、濃度の高い自分なりの王道を出したことで、熱狂的な人気を得た作品だと思いました。
もりかわ

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