いつか見た劇中のスクリーンに、今作の“人間ウェディングケーキ”が映っていてずっと見てみたかった作品。
1936年製、3時間超のミュージカル映画。尺的にはヘヴィかなと身構えましたがさすが名作、豪華絢爛エンターテイメントの極みでございました。
1893年のシカゴ万博の場面から始まる、ブロードウェイの興行王フローレンツ・ジーグフェルドの半生を描いた物語。
数々の女性遍歴、資金繰りや人気獲得の苦悩、ステージにかける情熱など、一人の孤独な男の生涯を軸にしながら、華やかなステージも見所です。
衣装がどうとか舞台の照明の色がどうとか色の話をされてもモノクロなのだが、だからこそ想像を掻き立てられる。自分の好きな色に染めながら見る楽しみがありました。
1時間20分辺りからです。待ってました、人間ウェディングケーキ!ホイップクリームのようにバレリーナが軽やかに舞い、苺のように煌びやかな衣装をきた男女が舞踏会を繰り広げ、歌い上げます。
舞台上の螺旋階段にはキャストがびっしり。そしてぐーっと引いて俯瞰の構図になる瞬間は鳥肌…!本当に何十何百の人で彩られた巨大セットは圧巻です。
その後も、せり出したり引っ込んだりする舞台から女の子たちが溢れ出てきます。もう縦に横に奥行きに、一杯いっぱい使った大掛かりなステージが楽しくて仕方ありません。
裏方さんだった青年が、念願叶って舞台に立って見せるタップダンスも楽しかった。この時代の俳優さんは本当に芸達者というか、技を持った人たちばかりで驚く。
ラスト、悲しく瞬く“ジーグフェルド劇場”というネオンサイン。ジーグフェルドには、まだまだ多くの構想がありました。階段の段数もまだまだ足りないし、舞台の高さも迫力もまだまだ…