真世紀

修羅がゆくの真世紀のレビュー・感想・評価

修羅がゆく(1995年製作の映画)
4.0
Amazonプライムで久々の再見。哀川翔主演の大ヒットシリーズ。

日本最大の暴力団・光和会の有力者・岸田組組長が病に倒れた。病床、往診の医師と看護師も辞し、頭が切れて組の近代化を進めてきた伊能(故・萩原流行さんが憎々しく演じて当たり役となる)と二人きりの場で「本来なら兄貴分でもあるお前が跡目を継ぐのが筋だが、後継者に本郷(哀川翔)を指名するので支えてほしい」とついつい組長が心中を漏らしてしまったことがすべての発端となる。

快諾したはずの伊能は思いを伝えて安堵した組長が寝入るや、すぐさま、枕元の見舞いの果物かごから取り出した果実を、拳銃の銃口にサイレンサー代わりにセットして組長射殺。ようやく駆けつけた本郷が単身面会すると組長はすでに亡骸。思わず枕元の拳銃を手にしたところで、伊能が騒ぎ立て、本郷に罪を擦り付けることに成功(こんな間隙を縫うタイミングの悪巧みをよくもまぁと感心)。何とか子分らとその場を逃れた本郷だが、光和会会長(結構、Vシネに出ているプロレスラーの藤原喜明)も伊能の跡目を認めてしまう。

汚名を晴らすために伊能への対抗を決意した本郷は刺客を退け、関東木曜会の勢力圏である新宿に事務所を構える。伊能は出所してきた本郷の兄弟分で新宿にやはり事務所を持つ京本(大和武士)と本郷の衝突を画策する。

哀川翔、その右腕役の松田勝ら、世紀をまたぎ、2013年にスタートした、今をときめく「日本統一」シリーズにも出演している方々も多い。特に「日本統一」で初期から登場、テキヤながら獄中で本宮泰風と知り合い、兄弟分となる植木役の現・永倉大輔が旧名の長倉大介で、本郷組の若い組員として出演。風呂入ってこいと言われて入浴中に本郷組長が襲撃されたことを負い目に感じ、伊能襲撃を誓うも…という役どころ。自分の子を妊娠したと告げた恋人(仁藤優子)のためにおもちゃ屋に立ち寄ってぬいぐるみを買うなんて「仁義なき戦い」なら死亡フラグやんと思ってると(以下略)。

シリーズの重要人物の一人、関東木曜会の有力者・春田役の安岡力也さん、本郷らが手傷を負った際に治療してくれた顔馴染みの医師に菅原文太さん(出演はこの一作目のみなのは残念)と鬼籍に入ったビッグネームの顔も懐かしい限り。

ちょっとした場面の役者の人数の多さなど、予算的にも今のVシネよりお金かけてる感。日本各地を舞台に13作に渡り繰り広げられる抗争劇、時を経ても面白さ衰えずで、シリーズ全作おさらいしちゃいそう。
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