Mikiyoshi1986

愛すべき女・女(め・め)たちのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

3.8
2月24日はヨーロッパからハリウッドまでの映画音楽を支える巨匠ミシェル・ルグランのお誕生日です!
祝86歳!

世界最古の職業"娼婦"をテーマに、ヨーロッパ気鋭の監督たちが多種多様の娼婦ストーリーを時代別に描いたオムニバス作品。
ルグランは全6話すべての音楽を手掛け、作品に応じた多彩なスコアを器用に奏で分けてます。

「先史時代」3.5
フランコ・インドヴィナ監督が女の駆け引きによって生まれた娼婦の起源をユーモアたっぷりに描いた第一話。
気品と美貌を振り撒くブロンド美女をミシェル・メルシエが好演。
カラフルな卵のアイディアがバカバカしくてグッドです。

「ローマの夜」3.6
イタリア出身マウロ・ポロニーニ監督が、ローマ帝国最盛期の皇帝ジュリアス・シーザーとその皇妃の倦怠をコミカルな艶笑劇に作り上げた作品。
刺激を求めて娼館に繰り出すシーザーを待ち受けていたのは…。
エルザ・マルティネッリの美貌にはただただうっとり。

「マドモワゼル・ミミ」3.7
ド・ブロカ監督がフランス革命前夜の中世パリを舞台に描いた作品。
人気娼婦ミミ演じるジャンヌ・モローが勝ち気で艶やかな色気を最大限に見せつけます。
貴族の処刑が横行した時代に、謎めいた客ブリアリが明かす素性とは…。

「ベル・エポック」3.8
ドイツ出身マイケル・プフグハー監督がベルエポックのきらびやかなフランスを舞台にした作品。
なんと言ってもしたたかな娼婦を演じたラクウェル・ウェルチ姐さんの肉感よ!
彼女に言い寄ってきた初老の正体を知ったウェルチ姐さんは…。
「No!」のくだりが可愛くて、現金な娼婦がエスプリ満載。

「現代」3.9
クロード・オーラン・ララは時代が移り変わった現代を描き、車を使った客引きが横行するパリの娼婦事情をコミカルに描きます。
摘発を恐れて策を練った娼婦コンビは突拍子もない方法を思いつく!
ハラハラのカーチェイスを繰り広げた末に行き着く結末とは!
グリーンの衣装が可愛い。

「未来展望」4.0
大トリはゴダール御大。
離婚した元妻アンナ・カリーナと組んだ最後の作品であり、「アルファヴィル」の姉妹的な逸品。
ホテルボーイも「アルファヴィル」で同役を演じたレオ君。
すべてがシステムで管理され、人間の心や感情さえも統制された未来。
愛の概念さえも消滅していた時代に、娼婦703号を演じたカリーナ嬢と客はその邂逅に何を見つけるのか。
ちなみにロケ地となったのは「ラ・ジュテ」の舞台オルリー空港。

今年はルグランの全仕事集が出るとか!
しかも夏に来日するとか!
色々とルグラン祭りが巻き起こりそうで楽しみですね。
Mikiyoshi1986

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