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張込みのyadokariのレビュー・感想・評価

張込み(1958年製作の映画)
4.1
松本清張原作の映画。野村芳太郎監督+橋本忍脚本は数々の清張映画の傑作を作ってきた。その始まりとなる映画だった。助監督に山田洋次なのである。地方ロケのスタイル。ゴミゴミした地方都市の薄幸の主婦が温泉地で元恋人との犯人と逢引するメロドラマなのだが、旅館の二階から主婦を観察する刑事二人の覗き見映画とも言える。ヒッチコック『裏窓』とかのアイデアだろうか?温泉地まで追跡する刑事のサスペンスは汗だらけの映画なのだが、その温泉地での川のせせらぎや「ふるさと」を吹く少年の口笛などの爽やかな演出。そう言えばそれまでの音楽はジャズ的な喧騒感を出していた。祭りの風景とか。

高峰秀子を器用したのは見事だった。まさに彼女しか出来ないメロドラマなのだ。見事すぎる映画は、1958年の映画全盛期の作品。
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