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傷だらけの挽歌のこぅのレビュー・感想・評価

傷だらけの挽歌(1971年製作の映画)
4.3
実話を元にしたジェームズ・ハドリー・チェイスのベストセラー小説[ミス・ブランディッシュの蘭]2度目の映画化で、名匠ロバート・アルドリッチ監督による、
ロバート監督を語る上で 必須 とされるバイオレンスな【アメリカン・ニューシネマ】。


1931年のアメリカのカンザス・シティで、5万$の首飾りを持つ令嬢バーバラ(キム・ダービー*)は、3人組のチンピラに襲われ、更に女ボスのグリソム率いる残忍なギャング一味に誘拐されてしまう。
しかし、グリソムのマザコン息子スリム(スコット・ウィルソン*)がバーバラに惚れた事から…。
   

アヴァンタイトルから簡潔にテンポ良く本題に導入する。
本作で面白いのは、
二次被害的な◯◯誘拐とギャング一家の知恵遅れでマザコン息子の1人が、令嬢に 一目惚れ した事だ。
それにより歯車が狂いはじめる、、
それを序盤でハッキリ提示、予兆させる。

令嬢に「豚!ナメクジ!」等と罵倒され、泣いてママ(イレーネ・デイリー)にすがる情けないスリム。

本作に登場する女達は皆、強者で、令嬢も気が強いが、グリソムママはもっと強くて、聞き分けの無い令嬢にビンタどころか グーパンチ で半殺しの目に。
弱ったバーバラに無理矢理キスするスリム。

市民から隔離されたようなクレイジーなギャングファミリーに
【悪◯のいけ◯え】ファミリーを想起した。

ギャングも警察も事件の当事者であるフランクの女、クラブのダンサー、アンナ(コニー・スティーヴンス)をマークする。
セクシー担当の彼女の ダンスと歌声 も披露され、短いながらも見どころのひとつに。

身代金100万$を難なく手に入れた一家は、バーバラを◯して完了する筈だったが、、

100万$受渡しのシークエンスがそっくり無いのと、普通は 令嬢と交換 するのでは⁈という疑問は残った。

ギャングの1人、
エディ(トニー・ムサンテ)は非情 で、情報を漏らした者は、たとえ女だろうが容赦せず抹殺する。
血糊は絵の具レベルだ。

スリムがバーバラとの将来の 愛の巣 として用意した新居の部屋がカラフルでオシャレ。
平和な将来(夫婦)を夢見る自体がマトモじゃないな。
金箔のトイレやエアコンや冷蔵庫やゴージャスなキッチンも装備するが、バーバラは 料理しない というオチが付く。

スリムもバーバラに手を出した兄弟を赦さない‼︎

この一連のシークエンスは、ホラーのような演出が施されていた印象。

クライマックスは、
警察に包囲されたグリソム一家、自首しようとする◯◯に躊躇わないママ。
そして、銃撃戦の始まり。
グリソムママの 高笑い しながらマシンガンぶっ放す姿は痛快だ‼︎
そこに車で帰ってくるスリムとバーバラは逃亡〜。

給油所で銃撃戦の 結果 を耳にする、、

⚠️95%ネタバレあり⚠️
 但し、安全ゾーンあり
 ↓ ↓































納屋に逃げ込んだ2人。
絶対絶命のバーバラとスリムのラストナイト。
こんなに愛した事も愛された事もなかったバーバラ。
パパですら娘が 汚れた、殺されても良かった と見捨てた。
娘もパパからの愛情の無さを悟った。
命懸けで彼女を守ってき女慣れしていないたスリムとてこんなに激愛、そして、自立は初めてだろう。
行き場を失った2人、、
「私の為に死んじゃダメ」
純愛が芽生えるのか⁈ (所謂、ストックホルム症候群とは違うと思いたい)
寄り添う2人、、

そして翌朝、
【俺たちに◯◯はない】のボニ◯ラのビギニングのようでエンド。
ラストのストップモーションは、車から
振り返るバーバラ。

結局、
事件関係者は1人も生き残らないバイオレンス劇だが、
アクションにカラッと痛快ノリノリの劇伴を被せたり、
'70年代作品特有の ユルさ(ゆとり) も兼ね備えている。













安全ゾーン
↓ ↓

オマ毛
・キャスト全員が終始、脂ギッシュ(汗ばんだ)顔と身体で、蒸し暑さが伝わった。
・もう一つの 救いの無いラスト 幻ヴァージョンも存在したという。


*注記
バーバラ役のキム嬢(24)は、決して美人じゃない(設定では美人令嬢)が、汗ばんだセクシー背中と 一級の演技力 は見どころに。
キモキャラ、スリム役のスコットも巧い。


ビンタレベル★★★★★
こぅ

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