デニロ

イチかバチかのデニロのレビュー・感想・評価

イチかバチか(1963年製作の映画)
3.5
川島雄三監督作品。遺作になるんだろうか。

伴淳三郎扮する鉄鋼会社の社長が全財産200億円の現金を目の前に広げ、イチかバチか。

50万坪200億円の大型工場誘致合戦。伴淳の片腕となるのが高島忠夫。誘致の為に伴淳を拉致する胡散臭い市長にハナ肇。

200億円の現ナマを広げるというのはモデルがあったような気がするがなかなかに男っぽい。伴淳の秘書の姉がハナ肇の愛人だったり、ハナ肇の50万坪はこれから埋め立てる絵に描いた餅だったりと、大きく小さく気持ちを裏切る。

勝負に出るのは伴淳だけでなく、ハナ肇も市長を辞任し参議院議員を目指したり、高島忠夫も自分の役目は終わった、とばかりに辞表を出す。社会の伸び盛りとはこういうことを言うんだろうな。

わたしがそんな世界に生きていたとしても、索引ばかり作って何もしないだろうな。

ラピュタ阿佐ヶ谷 芳醇:東宝文芸映画へのいざない(2017)にて
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