衝撃的な終劇。アニメ映画の中でも圧倒的に問題作にして怪作。そして何回観てもやはり難解、というかその時によってラストの解釈が変わってくる。
ショッキングなシーンが多いが本作だが『Air』はグロテスクな場面に特化しているが映像の迫力が色んな意味で凄まじい、
逆に『まごころを、君に』はTVシリーズにある精神面での映像を煮詰めたような描写が多い。
だがそんな精神面に強い『まごころを、君に』では度々見られるシンメトリー的な画が映えるし、
あと(Airも含めて)サブリミナルから狂気を感じるほどの演出自体も恐ろしいが良好である。
TVシリーズから旧劇にかけて他人とはわかり合えるか、わかり合えないかという部分が多く見られ、特に『まごころを、君に』あたりでは人類補完計画を軸にそれが大きく描かれている印象だったが、そこから更に深部へ潜り込んでいく。
エヴァは心理描写が深いところにも魅力があり、発達心理学の青年期のアイデンティティなども描かれているが、本作を観たあとシンジくんのアイデンティもあるが発達心理学で言うところの『私は他人を愛せるか?』という観点が強いように感じた。