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フェーンチャン ぼくの恋人のdiesixxのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

タイのイケてる映画会社GDH559黎明期の作品。1980年代の地方の町での眩しい少年時代と淡く切ない恋模様が瑞々しく描かれる。フィルムの質感、センチメンタルな作風は侯孝賢初期作など90年代台湾映画の手触り。結婚式に出席するため久々に田舎へ向かう主人公の回想から始まり、てっきり共通の地元友達結婚式で再会して…というラブロマンスかと思いきや、当の初恋の相手ノイナーの結婚式だったという…。「初恋の君」を永遠に心の中に封じ込めるラストカット、一歩間違えば幻想ばかりを押し付ける気持ち悪い感じになりそうなんだけど、成長期した主人公が心からノイナーを祝福しているのが伝わって、爽やかで解放的な味わいになっている。
タイの80s歌謡映画も楽しく、学芸会の場面は特に最高。何回も留年してる(小学校で!?)ガキ大将の少年もいい顔している。スクールバスをバイクで追いかけるシーンも忘れ難い。誰の胸にもある年少期の多幸感と成長の痛みを閉じ込めたような映画。面白かった。
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