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フェーンチャン ぼくの恋人のqqfowlのレビュー・感想・評価

4.1
主人公の青年ジアップは友人の結婚式に向かう途中、母からの電話で幼なじみのノイナーが結婚すると聞いて、ノイナーとの甘酸っぱい思い出が蘇り…

有名作とどこかで知ってずっと前にクリップしてたのが配信されたので見てみた。ぱっと見可愛らしすぎて心配になったけど杞憂だった。

タイの海辺の田舎町、パタヤ対岸のペッチャブリーが物語の舞台。ウィキペディアによればロケもそこで行われたらしい。緑と海に囲まれたのどかな風景に癒やされた。

ちょっと台湾の映画みたいな明るい色味と1960年代の日本の子供映画みたいな素朴な懐かしさのある映画だった。



~ネタバレ~



家が近所、父親の商売も同じ理髪師で、赤ちゃんの頃から仲良しだったジアップとノイナー。でも4年生になってジアップには男の子同士の付き合い、ノイナーには女の子同士の付き合いができて、次第に疎遠になる。それでもノイナーはジアップと遊ぶためにサッカーを頑張るが、ジアップは女の子とのサッカーはつまらなくて、男の子グループに入れてもらうためにノイナーたちのゴム飛びのゴムをハサミで切って、ノイナーを深く傷つけてしまう。仲直りできないままノイナーは引っ越していった。現代に戻って青年になったジアップは友人の結婚式を断りノイナーの結婚式に向かう。列席者はほとんど見知らぬ人ばかりだったがノイナーだけはジアップの中であの頃のままだった。おわり


あらすじだけ追うと他愛ない話なんだけど。10歳の少年少女の心理描写が丁寧で、童心に返って楽しめた。可愛い懐かしいが詰め込まれた過去パートに比べて現代パートがいまいち緩かったのは、まあ、タイらしいといえばタイらしいのかも。


タイの作品は一緒にご飯食べたら仲良しとか、食べ物をお皿に入れてあげたりエビのカラをむいてあげたらすっごく仲良しとか、ケンカしててもケガしたら仲直りとか、不思議なお約束みたいなのが幾つかある。この映画の中で、ジアップとノイナーの間に距離ができるところで、2人とも頭にシラミがわくエピソードがあって、たぶんこれもその類いなんだろうけど、全く分からないこともないような、でも、完全に分かるかというと…。頭にシラミがわいた2人が並んでご飯を食べながら友達にはやし立てられるってどういう状況? やっぱりちょっと難しい。本人たちも意識してなかった共有の秘密がバレちゃったみたいなことかなあ。
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