Ryoma

大いなる幻影のRyomaのレビュー・感想・評価

大いなる幻影(1937年製作の映画)
4.1
戦争映画ではあるけれど、戦闘シーンは一切なく、戦時中でも灯る人の優しさや側に誰かがいてくれることの大切さを謳ったジャン・ルノワール監督の傑作。
戦争ものでは、自国のために命を賭けるという愛国主義に着目した作品が多い中で、人の尊厳や想いやりに焦点が当てられた反戦映画でもある本作。
舞台は第一次世界大戦中。その当時の情勢は決して明るくなく陰鬱で暗く澱んでいたはずではあるけれども、それに反して本作で描かれる人の表情・雰囲気はどこか快活で幸せそうにも見えた。それは、“戦争“を皮肉っぽく詰り批判したブラックユーモア溢れるルノワールの類稀れなる発想と堅固な強い意志の現れなのかもしれない。
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