マチュー

U・ボートのマチューのレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
4.2
ピーター・バーグの『ローン・サバイバー』を観た友だちが「俺アフガニスタンにはゼッタイ行かねえ」と言ったことがあるけれど、僕なら「潜水艦にはゼッタイ乗らねえ」と言うだろう。なぜなら僕は『Uボート』を観たからだ。
見渡すかぎり海ばかりの大西洋、しかも海面の下という逃げ場ゼロのロケーションを舞台に3時間、閉所のおそろしさを味わわせてくれるUボート。
おまけに嵐だし、爆雷は落ちてくるし、この戦争には一片の栄光もない。ただ追いかけられ、追いつめられ、乗務員全員むさ苦しくひげ面になり、狂気にとらわれるまで期間をかけて航行して、沈めるのは輸送船2隻。とどめに、"処女のようにせまい"ジブラルタル海峡を越えろという無茶なご命令。
お腹いっぱいのサスペンスと恐怖を味わえるけれど、鉛をのんだ気持ちでエンドロールをみることになる映画です。
マチュー

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