大石

U・ボートの大石のネタバレレビュー・内容・結末

U・ボート(1981年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

好き。大好き。
ドラマ部分も、キャラクターたちも、音楽も、潜水艦の撮り方も、全て大満足。
先日ついにサントラも買ってしまいました。

ドイツのWWII系戦争映画はアメリカのベトナム戦争映画と似てどれも自虐的なくらいの「負の遺産」としての描かれ方が特徴的ですが、この映画なんてまさにその極み。あれだけの思いをして国へ帰って来たのにあの仕打ち。ラストどれだけの人が唖然としたことでしょう。でも実際、当時の人間にしてみたらあんな気持ちだったのかもね。

例に漏れずナチス政権に対して懐疑的な主人公ですが、一度物語が潜水艦の中へ移行すると、もうそんなの全然関係ない。見ているだけで暑苦しさと汗臭さの伝わってくるようなぎゅうぎゅうとした画面と赤色の照明の下で、駆逐艦の落とす爆弾を息を呑んでやり過ごしたり、十数日間ただ海を漂流しつづけた後ついに敵艦を発見して喜びに跳ね上がったり、気づけば自分も船員の一人になったような気分で一喜一憂していること請け合い。その極みが、後半海底に沈んだ潜水艦が再び浮かび上がるシーン。思わず画面の前でガッツポーズをとってしまいました。

で、ユルゲン・プロフノウ演じるこの艦長がまたかっこいいんだ。常に冷静さを失わず、かつベテラン船員であるはずのヨハンが緊張のあまり取り乱したシーンでは、鬼のような表情を見せる。

レビュー書いてたら久しぶりに見たくなって来た。
とにかく超・オススメ。
大石

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