せんきち

U・ボートのせんきちのレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
4.4
カナザワ映画祭にて

多分中学生の時にゴールデン洋画劇場で観て以来。

ディレクターズカット版は何と208分!約3時間半!途中休憩10分を入れての公開。


第二次大戦時のナチス・ドイツの潜水艦乗りの死闘を描いた作品。全編の8割以上が潜水艦内という窒息死しそうな画面にカナザワ映画祭の爆音仕様!何か色々狂いそうな映画体験。

最初っから死闘につぐ死闘で、何度も死線を乗り越えるUボート。緊張感溢れすぎる演出と展開に俳優も観客も息絶え絶えな展開。特に驚いたのは「あれ、そういえば休憩ないな?休憩入れ忘れたんじゃないの?これもう終盤だよな」と思った所で休憩!えーーーーこれで半分、まだ半分あるの!Uボート沈没寸前なんですけど!


DVDの様な、いつでも退席可能なゆるい環境ではこの観客も一緒に苦しむ感じは共有できない。

事実、後半1時間半近くかけてほとんど沈没していたUボートが浮上するまでを描くのだから。ここの描写は本当に凄い。


ここまで濃厚に地獄の様な戦争を描いたからこそ、ラストの余りにもあんまりな展開が映える。何という無常。最高。
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