何度みても手に汗握ってしまいます。
この映画は、どうやって撮ったのか不思議なくらい
狭く見える、潜水艦の艦内のセットの中だけでほとんど話が進行していきます。
CGで外観を見せることがかなわない変わりに、本作はそのすべてを「音」で表現しています。
ミシッ……ミシミシッ…カンッ!
という外壁が水圧によって圧迫される音。
ゴゴ……ガリッ……ドォォオ…
船体スレスレで魚雷が爆発した音、
それらの音と、極限までに圧迫された空間が、見るものに窒息しそうになる程の緊張感を与えています。
食事描写や衛生描写も容赦なく、潜水艦というものが如何に劣悪なのかを観客に叩きつけます。
しかし、それでもこの戦争を生き抜こうとする艦長を始めとする乗組員の姿に胸を打たれるのです。
だからこそ、命からがら脱出するシーンで流れる本作の昭和のアニソンのような勇ましいテーマ曲に泣かされてしまいます。
そして、そこまでして生き抜いた彼らに、あまりにも非情な運命を与えて映画はおわります。
何度みても手に汗握って絶望します。