僕らが旅に出る理由
2012年 アメリカ/スペイン作品
亡くなった息子のバックパックを背負って、それに背を押されながら歩き続ける父の聖地巡礼の道。世界遺産サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す800kmの旅路。
スペインの自然風景や建物が美しく爽快。アメリカ人のトム、オランダ人のヨスト、カナダ人のサラ、アイルランド人のジャックの掛け合いも面白かった。
ストーリーは、ゴールが分かっているだけに少し単調な気がした。常に豊かな大自然が背景にあるのと、主人公のトムを演じるマーティン・シーンの表情に味があるので、無理にアクシデントを盛り込まず、セリフももっと抑え気味でもよかったのにと思う。
BGMもストーリーと映像に合っていて、ジェームス・テイラーやアラニス・モリセットの歌が懐かしかった。ただ、なぜか頭の中をループしていたのは『僕らが旅に出る理由』(小沢健二)だった。
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遠くまで旅する 恋人に
あふれる幸せを祈るよ
ぼくらの住む この世界では
太陽がいつものぼり
喜びと悲しみが 時に訪ねる
遠くから届く 宇宙の光
街中でつづいていく 暮らし
ぼくらの住む この世界では
旅に出る理由があり
誰もみな手をふっては しばし別れる
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