Masaharu

星の旅人たちのMasaharuのネタバレレビュー・内容・結末

星の旅人たち(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

妻を亡くし息子と2人
堅物な父と息子は価値観が合わずにすれ違う

そんなある日、息子の訃報が伝えられる

旅先で亡くなった息子を迎えに行くトムは、息子が実現出来なかった巡礼の旅に出る事を決意する。息子のバックパックの荷物と共に

唯一の家族であり、大切な1人息子を失った気持ちの整理つかぬまま、すれ違った息子を少しでも知りたいと思ったのだろうか

堅物のトムは淡々と巡礼の旅を進める


しかし、巡礼の旅では多くの人達との出会いが待っていた。旅の目的は人それぞれ

目的なき巡礼の旅路を行くトムも、仲間と出会い、触れ合う中で少しづつ心に変化が生まれてくる

決して派手ではないが、ずっとじんわり素敵なロードムービー

道中の歩くスピードの違い、ずっと最後まで4人は一定の距離が離れていた。それは、巡礼の目的は人それぞれであり、個の旅である事を示しているようだ

それでも足を止め休憩する時、宿で一晩過ごす時、仲間達は距離を近づかせ心を通わせて行った

ヨーロッパの美しい景色と町々の人々の生活に触れ、旅の仲間を知るほどに心は変化して行ったのだろう

決して仲間達に息子の話をする訳でもないし、そもそも映画全体を通して口数がかねり少ない。ずっと歩いてるだけ 笑

でも、それが良い
悲しみを包み込むような温かさがある

悲しみは消えなくても、いつか乗り越えなければならない

旅の終わり、日常に戻ると仲間に伝え、まっすぐに前を見るトムの視線がなんだか安心させてくれる