みてべいびー

汚れた血のみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

汚れた血(1986年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「もし君とすれ違ってしまったら、世界全体とすれ違うことになる」
カラックスへの苦手意識が拭えないまま観たけど、アレックス三部作の中では一番好みだった。Modern Loveで疾走する場面と、赤いベッドの上に青いガウン着て寝転ぶJuliette Binocheを逆さまに映す画がたまらなくよい。男勢が上半身裸で車乗ってる図も面白い。マジックの場面も印象的。ボーイミーツガールといいこの映画といい、カラックスはガラス張りの部屋がお好きね。
Juliette Binocheの赤いカーディガンに同じ色のリップのスタイルが目に焼き付く。彼女もJulie Delpyも、Ethan Hawkeがある映画で言うようにBotticelliの描く天使級にかわいいけど、私の中の優勝はちょっとしか出てこないMireille Perrier。あそこまで薄幸そうな、壊れそうな美しさを持ってる人ってなかなかいない気がして、どうしても惹かれてしまう。
カラックスってアレックスそのものなんだろうなぁって毎度思うけど、今回はあんまりクセを感じなかった分、彼の最期にはちょっと自己憐憫を色濃く感じてしまった。全くもってお門違いな解釈かもしれないけど。台詞もことごとく詩的すぎて、さえずりみたいにフランス語でスラスラ語られるとあんまり頭に入ってこない笑。でも今まで観た彼の作品の中では、一番共感度高かったかな。「一人の人に愛されてモテる気になっていたが、僕が愛する女性はみな僕を愛さない」みたいなこと言ってる場面にあああ〜ってなった。個人的クリティカルヒット。不器用なりに、真摯に愛を示せる真っ直ぐさは素敵だ。それ以外の方法を彼は知らないんだろうが。
すごく気になったのは、最後車で飛行場に向かってる時にすれ違う女性。勝手にあのバスの人はJuliette Binocheだと思ってたから、あれ?人違い?ってなった。もしアレックスもそう思ってたなら、勘違いしてJuliette Binocheを好きになったんかな。ボーイミーツガールでもそういう件あったよね。まぁ〜でも、、私はまだまだ勉強が足りない。
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