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汚れた血のtoriten45のレビュー・感想・評価

汚れた血(1986年製作の映画)
5.0
鮮度がずっと落ちない魅力はまさにタイムレス。今でも新感覚で観ることができて、満足度もMaxだったのでスコアもMax。一目惚れや片思いの切なさが追体験できる感覚的な作品と言えばいいのでしょうか?音楽を聴くように鑑賞する映画といってもいい感じ。

このボーイミーツガール物語はとにかくシビれぐらいにかっこいい。レオス・カラックスが弱冠26歳で作ってしまった傑作。…だと思います。この作品にハマるのはシンプルに“かっこいい”から。

そしてジュリエット・ビノシュ。ハッとするほど美しいです。ちょっとした仕草や表情に気品があって可愛らしい。

彼女をひと目見た瞬間に恋に落ちてしまうのが、田舎から都会に来たばかりの主人公ドニ・ラヴァン。しかしビノシュには恋人がおり、ラヴァンを相手にしません。観てる側の男の6割はファム・ファタール全開のビノシュに完全にやられてしまうでしょう。

そのラヴァンに想いを寄せるのが元カノのジュリー・デルピー。しかしラヴァンはジュリー・デルピーとのヨリを戻すつもりはありません(モテ要素ゼロなのになんて男だ…)。とりわけジュリー・デルピーがハッとするほどキュート。ビノシュとはまた違う魅力を発散していて、うぶな男は鼻血がブーとなるでしょう。

カラックス監督はこの叶うことのない2つの一途な恋を映像と音楽とポエムのようなセリフ回しで見事に表現してます。

本作でジュリー・デルピーの登場はあまり多くないので、より長く観たい方は『トリコロール/白の愛』('94)と『ビフォア・サンライズ 』('95)がお勧めです。
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