ひろぽん

劇場版 SPEC 天のひろぽんのレビュー・感想・評価

劇場版 SPEC 天(2012年製作の映画)
3.5
人気ドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策事件簿〜』の続編で劇場版1作目

ある日、特別捜査官の当麻紗綾と瀬文焚流のもとにミイラ化した遺体が発見されたと知らせが届く。特殊な能力を持つSPECホルダーの関与が疑われ、調査を進めるうちに既存の権力者に対して組織的な反攻を行う事件に巻き込まれていく。そこで公安の捜査官であり、自身もSPECホルダーである当麻の葛藤が描かれる物語。

1917年7月17日にポルトガルの小さな町ファティマで、聖母マリアが公衆の面前に出現し、3人の羊飼いの子どもたちに「予言」を託した。三部からなるこの予言の「第一」と「第二」の予言は恐るべきことに見事的中してしまい、第一次世界大戦の終焉、第二次世界大戦の勃発、その後のソ連の東西の軍事的政治的対立などの世界情勢を正確に当ててしまった。世界は残る「第三の予言」に注目し、なぜかバチカンに厳重に保管されており、バチカンの教皇ヨハネ・パウロ2世が狙撃された事件で予言が全て実現されたという見解が発表された。だが、第三の予言の文脈は第一と第二の予言とかけ離れており、予言を授かった羊飼いの1人の子どもが「神の罰ではなく、正しい道への導きであり、人類の滅亡、核戦争、あるいは宗教戦争などという生易しいものでは無い。第三の予言は黙示録であり、人類がかつて遭遇した事のない残酷なものである。」と証言を残している。「第三の予言」はごく一部であり、一番重要な核心は隠蔽されているという指摘が出た。我々人類はその予言の刻を迎えた。この第三の予言を迎えた現代から物語は始まる。


ドラマまでは日本の日常にとけ込むこむSPECホルダー達と刑事による頭脳戦だったのに、劇場版になりそれが世界規模の風呂敷を広げるに広げ過ぎた物語となった。そのため、ドラマの続編ではあるものの冒頭に出てくる上記の話を理解していないと「ファティマの第三の予言」と言う言葉が頻繁に出てくるので話が理解できなくなってしまう。さらに、ドラマを観ていないと話が続いてるため意味が分からなかったり、物語の深みが分からないと思うので、スペシャルドラマも含めて全て鑑賞した上で観ることをオススメする作品。

SPEC 天 まではまだファンタジー過ぎず楽しめる要素がある。見どころは相変わらずの当麻&瀬文の刑事コンビの笑いあるコミカルな刑事魂や熱い絆、野々村が刑事の意義について説く場面がとても良い。そして、人種差別のテーマが取り入れられ、SPECを持つものと持たざる者のとの間で戦いが起こる。世界にも通ずる問題で「普通」とはなんなのかを考えさせられる点は面白い。

SPECシリーズは大好きだが、映画はあまり好かん。伊藤淳史が本人名義で登場したのは謎🤔💭
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