ハシゴ高

人間蒸発のハシゴ高のレビュー・感想・評価

人間蒸発(1967年製作の映画)
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ある人間の蒸発を探るドキュメンタリーという名目で、カメラの恣意性を記憶の盲信と重ねる。
記憶が抱えた負債は思い込みという利子で膨れ上がってはいないか?という、連帯感の強い社会への少しばかりの解放のようにも感じた。
また、現代よりもはるかに隙間の大きい社会において、蒸発というのはかなりリアリティのある題材で、社会的自己から逃れる有効な手段だったんだなというのが分かる。
今はなんだろう、人間拡張、とか?
寺山修司の田園に死すへの影響を感じさせる構成だな。
ハシゴ高

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