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青い目の蝶々さんのumihayatoのレビュー・感想・評価

青い目の蝶々さん(1961年製作の映画)
5.0
シャーリー・マクレーンの芸者メイクでの変身がガチ過ぎて、僕もファーストカットは気付かなかった。
やはり口角は世界遺産級。
いい役者だなぁ。

この映画制作そのものみたいなメタ的設定も非常に面白い。

映画業界への風刺や皮肉もしっかり効いているし、枕営業や性的搾取、セクハラなどの悪しき業界文化へのNoを提示し
「芸者は性的対象では無い」と言うこともハッキリと描いていて表向きは良いのですが
まだまだこの時代の亭主関白善きもの的な価値観が根底に見え隠れし
「妻は夫に尽くして男の虚栄心と威厳を保つ事で、男は男女は女でいられて夫婦関係は良くなる」的な発言に感動的な音楽を被せるシーンは、かなりの前時代感を感じて面白い。

しかし「妻は夫をたてろ」と言う帰結でも無く、「お互いに試し合ったり嘘で騙したりするのはよくないよ」と言うところに軟着陸。
なんとなくいい話風でちゃんちゃんでした。

劇中製作される映画
「蝶々夫人」がめちゃくちゃつまらなそうなのもポイント高し。
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