みーちゃん

こわれゆく女のみーちゃんのレビュー・感想・評価

こわれゆく女(1974年製作の映画)
4.5
私はメイベルのことも、他の誰のことも、こわれているとも、特異だとも思わない。ただ涙が止まらない。でもこの涙は他のどの作品とも違う。悲しいとか、切ないとか、感動というよりも、共感の涙なのかな? 特定の登場人物への共感ではなく、もっと深い事象への共感。

今回は子供が必死に母親を守ろうとするシーンで泣いてしまった。時が経てば、或いは、その時の自分の状態で、いくらでも号泣ポイントは変わると思う。

パートナーや親子など対家族、対身内、対同僚、対友人、そして、対自分。描かれているのは誰の立場に立っても特別なことでも、誇張でもなく、真を凝縮したドラマだと思う。言葉では言い表せない。理屈では割り切れない。

そして私はピーター・フォークとジーナ・ローランズのことが(ということは必然的にジョン・カサヴェテスも)、改めて大好きなんだなぁと思った。