李

こわれゆく女の李のレビュー・感想・評価

こわれゆく女(1974年製作の映画)
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仕事帰り、観たかった映画です。2回首がガクンとなったけど、なんとか爆睡の沼に足を突っ込まずに完走できた。愛故にこわれていく女の物語なのかと思っていたら、最初から雲行きが怪しい。家族への大きな愛があるからこそ、その重荷が彼女にのしかかった。きっとこうでいなきゃって自分を追い詰めてしまう真面目な人なんだろうな... ニックは男性優位社会の産物というかかなり高圧的で、彼女が正気を失っていった原因をたくさん持っているとは思うけど、不器用ながら彼なりに妻を愛しているんだろう。元々こういう気がある彼女とここまでやってきたわけだし、叫ぶ彼女を愛してる一緒に死んでもいいと抱きしめてた。実際取り乱してる人をずっと前にして、平静保って綺麗事なんて言ってられないと思う。子どもたちも母親が大好きで、この家族には歪だけども愛がある。バランスの悪いぐらぐら揺れる積み木がなんとか崩れずに保ってる状態をひたすら眺める。愛があるからこそ、2人は互いのこわし合いから逃れられないかもしれないけど、それが2人なりの幸せなのかな... 私を愛してる?と問いかける水道のシーンが、とてもやるせなくて1番好きだった。何を書きたいのかよく分からないままここまで来たけど、私は(眠気のせいもあると思うけど)感情移入が上手く出来くなくて、全体的に冗長な作風もあんまり好みじゃなかった。 1席空いた左に座ってたおじさんは泣いてた気がする。何か似たようなことがあったのかな... あと一部の方が随所で笑ってて、笑う理由がよく分からなかった、、知らない人との感性の違いで冷めてしまうのも映画館だからこそ。
"どうしたの?分かんないけど愛してる"
李