完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。
とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。
さて、今回鑑賞した作品は……
『不思議な世界の物語』 LDで鑑賞。
1962年 アメリカ 伝記、ファンタジー 先客3名様
公爵の家史を書く仕事を依頼されたグリム兄弟。期限までに何とか完成させようとする兄を尻目に、弟は仕事そっちのけでおとぎ話のことしか頭になかった。
童話なんてくだらないと言われ続けながらも、弟はおとぎ話集めに心血を注ぐ。
50年代のハリウッド映画を代表する名プロデューサー、ジョージ・パルが、グリム兄弟と彼らが集めた童話を題材に、35㎜フィルム3本を使用して3つのカメラで同時撮影する ‶シネラマ” による劇映画として製作した大作。
劇中では、数あるグリム童話のうち3つが描かれる。
姿の見えなくなるマントの話。
真夜中に靴を作る小人の話。
火を吐くドラゴンに戦いを挑む剣士の話。
この中で事前に知っていたのは小人の話だけで、他は聞いたことなかったけれど、どれも面白かった。特にドラゴンが口からじゃなくて鼻から火を吐くのが気に入った。尻尾に岩を落とされて痛がる姿も、なんかかわいい。
ところで、これら童話は、みなグリム兄弟が作ったのではなく、集めたというのがポイント。劇中でも、弟が子供たちにおとぎ話を話して聞かせるおばあさんの家に行き、子供たちに紛れて話を聞かせてもらおうとするものの「子供じゃないから入れてやらない」と門前払いをされ、それでもあきらめきれず、外から盗み聞きしておとぎ話の内容をメモするシーンがある。つまりグリム童話集は盗作の集ま……いや、何でもない。当時は著作権云々なんて無いに等しかったのだろう。
ラストシーン、グリム弟が大勢の子供たちに囲まれるシーンは感動的。作り話なんて無価値と言われていた時代に新風を巻き起こしたグリム弟の功績は大きい。
でも、本当は怖いんでしょう? グリム童話って。