櫻

ヘンリー・フールの櫻のレビュー・感想・評価

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)
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この世界には、優劣ではなくて、ちがいだけがある。意味はなくて、運だけがある。すべては特別なんかではなく、たいしたことはない。どれもおなじような河川敷にころがる石ころたちが、ある日少年の手の中で魅力的にきらめくときの一瞬をこそ、たいしたことないこの世界は待ち望んでいた。時代の片隅で紡がれた創作物が多数の目にふれる確率なんて、無作為で無責任なのだろう。それに奇跡などと名づけて、目の前を通りすぎる時だけ、生気をなくした顔をして拍手をする。

本作が撮られてからずっとこの世界は変わってないのだな、、めちゃくちゃ現代という感じがする。この諦観すきだなあ。
櫻