ピッツア橋本

ヘンリー・フールのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)
4.5
"RUN"

とある前科一般のムショ上がりの無法者ヘンリーフールが、ゴミ処理業の冴えない青年サイモングリムと出会い、彼の眠れる詩の才能を発掘していくという風変わりなドラマ。

主人公ヘンリーの野性味あふれるクズキャラも興味深いけど、自分はサイモンのナヨナヨしたルックスと言葉足らず故の巻き込まれ体質な感じがすごい胸の奥に刺さった。
大好きな90年代サブカル漫画よしもとよしとも『青い車』を彷彿とさせた。もはやそれのスペシャル映画版と言っても良い!

冒頭1分のゴミ処理場から外に出てピントがズレ始めてからのタイトルインが最高。
一連の生活感がメチャメチャ好みで、次カットから始まるしょうもない事件の始まりもグッド。

サイモンは文学青年というよりは、汚れ仕事の労働者の冴えない生活の中で、日記のような妄想のような文章をノートに書き溜めていただけ。
それが次々と大きな展開を呼んでいくのはフィクションとして好き。

クライマックスの空港に至るまでの流れが良かったなあ。
サイモンの成長過程が何だか清々しい気持ちにさせてくれた。

97年作で、ロングアイランドトリロジー三部作を観た後の今回だけど、今のところ個人的ベストハルハートリー。
ピッツア橋本

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