柏エシディシ

ヘンリー・フールの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)
3.0
鬱屈とした日常に囚われた若者を撮り続けたハル・ハートリーが、そこからほんの少しだけ飛び出していく。
悪いドラえもんとのび太の物語だと私は思っているのだけれど……w
ハートリーの過去作品と重なるプロットに既視感を感じながらも、「その後」を思わせる終盤の展開が新鮮な印象を感じる。
それでも空港の滑走路を走るヘンリーとそれを見守るサイモンの構図は、やはりハートリー的な後味。
アートの商業化やメディアの電子化、貧困とDV。
今的なトピックも取り込まれていて、ハートリー鋭い。
善悪混濁としたヘンリーの人物造形が面白い。悪いドラえもん。主人公を啓発するメンターでありながら、何処か信用ならぬ雰囲気。
ツンデレ(?)女子なパーカー・ポージーもチャーミング。
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